歌林良材集［謌林良材集・歌林金葉抄］ 【判型】大本2巻2冊。縦261粍。 【作者】一条兼良（一条禅閤・桃花翁）作。 【年代等】慶安4年8月刊。やや後印。［京都］秋田屋平左衛門板。 【備考】分類「歌学」。室町時代の作歌手引書。永享年間（1429-1441）成立か。上巻では、「出詠歌諸体」「取本歌本説体」「虚字言葉」「実字言葉」の4項目129条につき、『万葉集』、八代集、『伊勢物語』『大和物語』『源氏物語』などから証歌を引いて具体的な解説に及び、下巻では、「有由緒歌」（よき歌および故事）65条につき、藤原基俊・源俊頼・顕昭・藤原俊成・同定家んなどの学説を博く引いて注解を付している。自説は少なく、博学博識を誇る古典学者兼良の学風がよく出ているが、一面啓蒙的な性格も強い。なお、下巻の「有由緒歌」を補遺したのが下河辺長流の『続歌林良材集』2巻であり、さらにそれを次いだのが契沖の『続後歌林良材集』2冊である（「日本古典文学大辞典」参照）。 ★原装・題簽付き・美本。【参考価格（初出品時の相場です）：日本の古本屋で、4万9680円～7万5600円】。