世界中のスタジオで、モニタースピーカーとして今も活躍中のYAMAHAの名機「NS-10M」。かなり古いモデルですが、実際にアンプにつなげてみると、あたかもFMのサブスタジオにいるかのような定位とメリハリは、今でも「さすがはテンモニ」というところです。 ◎写真でご覧のとおり、この個体は超美品です。ありがちなウーハ白コーンの凹みなどはゼロ、エンクロージャー（スピーカーの箱部分）の小傷も極少で、これといった瑕疵が見つかりません。しかもコンデンサなどを総取替したかなりのチューニング機です。 ◎音質も非常に良好です。電解コンデンサとフィルムコンデンサ総計6つを新品と交換し、全ユニットからテンモニらしい輪郭のハッキリした明るい音が出ています。ちょっと堅めの「テンモニらしい音」です。ポリマー加工（下記）の後、十分な乾燥を経て、48時間以上の鳴らしこみを行いました。豊かでありながら、明るく歯切れのいい音が出ます。エンクロージャがうまい具合に枯れ、水分が抜けているのものモノをいっているのでしょう。シリアルナンバーは円熟の22万番台。これこそ「80年代のメイドインジャパン」 です。 ◎ウーハにスピーカー専門のポリマー加工、エッジに柔軟化処理を施してあります。ポリマー加工とは、コーン紙の表面に極めて薄い高分子密着被膜を作るもので、一義的にはコーン紙の劣化を防ぎ、本来の白さを取り戻し、湿気や紫外線などからウーハを守るためですが、コーン紙の剛性を高める作用も持つため、音を引き締めて音像をハッキリさせる効果があります。あくまで主観ではありますが、30年前の張りのある低音が甦ったと思っています。ウーハの表面に若干のツヤがあるのはこのポリマー加工ゆえ。また高分子被膜は極めて薄い被膜であるため質量をほとんど増やすものではなく、音色の方向性そのものに変化はありません。 ◎念のため書き添えます。新品同様というより「展示品レベル」です。が、同時に30年以上前のでもあります。状態はあくまで写真の通りで（拡大するなどしてお確かめください）微細なキズや打痕などあるかもしれません。そのあたりはご承知おきください。幅215x高さ382x奥行199mm。【101麻】

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